3Dプリンターで自作ルアーを塗装するために、Amazon で8,000円前後の中華製エアブラシを買いました。エアブラシ初心者・コンプレッサー一体型・ノズル3本付き、という条件で選んだ、いわゆる「とりあえず試す用」の一台です。
3か月使った結論から言うと、ルアー塗装が目的なら安い中華製より、タミヤなど信頼できるメーカー品を最初から買った方がいいと思います。以下、なぜそう感じたかを順に書きます。
購入したきっかけ
もともとは缶スプレーで塗装していました。単色なら問題ないのですが、グラデーションや細かい模様はどうしても限界があります。エアブラシならもっと細かく吹けるはず、という期待で購入しました。
選んだのは次のようなモデルです。
- コンプレッサー一体型(充電式ではない)
- 圧力調整3段階
- ノズル3本付属
- タミヤなどの有名メーカーではなく、レビュー数だけ多い無名の中華製
今回使った本体がこちらです。

最初に使ってみた感想
思ったより細かく吹けませんでした。 ノズルを最小サイズにしても、小さな模様を描くような精度は期待できないレベルです。缶スプレーとの差はあるものの、「エアブラシに乗り換えれば一気にプロ級」という期待は外れました。
最初は手元にあった水性塗料で試しました。発色が弱く、思っていたような発色にはなりませんでした。のちに分かりましたが、ルアー塗装ではラッカー系の方が向いている場面が多いです。
ラッカー塗料に切り替えて
発色を改善するため、タミヤやクレオスなどのラッカー系塗料に切り替えました。見た目は確かに良くなります。
ただし、ラッカー系は水性とは別世界です。
- ラッカー溶剤が別途必要
- すぐにノズル内で固まるため、使うたびに溶剤で大量に洗う必要がある
- メンテナンスに時間がかかる
「塗る時間」より「洗う時間」の方が長い日もありました。
加えて、ラッカー溶剤のコストは馬鹿にできません。 執筆時点(2026年7月)では、イラン情勢などの影響で原油関連品の値上がりが続いており、ラッカー薄め液・洗浄用溶剤も以前よりずっと高いです。エアブラシ本体8,000円より、溶剤と塗料を買い足し・洗浄に使う分のランニングコストの方が効いてくる感覚がありました。「安いエアブラシで始められる」だけ見て飛びつくと、ここで想定外の出費になりやすいです。
使っていて便利だったもの・欲しかったもの
塗料の移し替えや調色にはスポイトが便利です。ただ、ラッカー系は乾くのが早く、スポイト先端に塗料が残ると乾燥して詰まることがよくあります。都度きれいにするのも手間です。
そこで重宝するのがニードルボトル(針付きボトル)です。細い口から直接エアブラシのカップに入れられるので、スポイトより乾燥・詰まりにくく、少量ずつ使う塗装向きです。ラッカー塗装を続けるなら、スポイトだけでなくニードルボトルも1セットあると快適だと感じました。
ニードルボトルのおすすめ
メンテナンスでハマった点
洗浄中にパッキンが外れて行方不明になりました。かなり小さい部品なので、洗うときは本当に注意が必要です。
パッキンがないとすぐ液垂れします。パッキンがあっても液垂れは起きますし、ノズルが少しでも乾いて固まると噴射に偏りやつまりが起き、また洗浄が必要になる——この繰り返しが続きました。
圧力調整も、最小設定でも自分には強く感じるレベルで、繊細な仕上げには向いていない印象です。エアブラシ自体の技術も必要ですが、道具側の精度・調整幅もボトルネックになっていました。
完成品は釣れるか
一応、こんな仕上がりになりました。

3Dプリンターで出力したルアーですが、これでも十分魚は反応しました。 個人的には、ルアーフィッシングにおいて色の重要性は以前思っていたほど大きくないのでは、と感じています(場所・泳層・シルエットの方が効いている印象)。
「完璧な塗装」より「とにかく投げて試す」方が先、という結論にも近づきました。
結論:安い中華製エアブラシはおすすめしない
3か月使って感じたことをまとめると、次のとおりです。
- 細かい吹き方・繊細な模様は期待しにくい
- 水性塗料では発色が物足りない
- ラッカー系にするとメンテがかなり面倒
- 溶剤代が想定以上(値上がり時期は特にキツい)
- 小さなパーツ紛失リスクがある
- 全体的に使いづらい
ルアー塗装を続けるなら、最初からメーカーがはっきりしたエアブラシを選ぶ方が、結果的に時間もお金も節約できると思います。
おすすめのエアブラシ・塗料(代替案)
以下は、中華製ではなく最初から検討したい候補です。
エアブラシ
- タミヤ スプレーワーク エアブラシ HG ダブルアクション 0.3mm — 初めて本格派を買うなら定番
- GSIクレオス プロコン BOY PS-270 — クレオス塗料と合わせやすい
ラッカー塗料・溶剤
※ラッカー溶剤は原油相場の影響で値段変動が大きいです。購入前に最新価格を確認してください。
調色・移し替え用
- ニードルボトル(針付きボトル) — 乾燥による詰まりがスポイトより少なめ。ラッカー塗装向き
- スポイト — あると便利だが、使い終わりは早めに洗うか捨てる前提の方が楽
仕上げのコーティング
- ウレタンフィニッシャーこれだけでルアーの輝きがぐっと高まります。
ルアー塗装向けの色の例
- ベース:白・黒・シルバー
- アクセント:チャート・ピンク・オレンジ系
色にこだわりすぎるより、まず1本完成させて投げる——その意味でも、メンテで消耗する安物より、洗いやすく安定した道具の方が続けやすいです。
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